近年、ITパスポート試験の受験者数が増加している一方で、その難易度が徐々に上がってきているという声もよく耳にします。
X(旧twitter)でちょっと検索しただけでも、下記のような投稿が多数見られます⇓
では、実際にITパスポートの難易度は本当に上がっているのでしょうか?
この記事では、難易度が高くなっていると言われる理由や背景を探りながら、実際の難易度の変化と出題傾向を徹底的に調査しました!
ぜひこの記事を参考にしていただき、ITパスポートを攻略してください!
ITパスポートの難易度変化の実情を多角的に調査
昨今ITパスポートが難しくなっているとの声が増えていますが、実際はどうなのでしょうか?
この項では、多角的な面から数字とデータを参照し、難易度の変化の実情を見ていきたいと思います。
ITパスポートの受験者数、合格率推移
まず、ITパスポートの受験者数、合格率推移を見ていきましょう。

平成24年が合格率41.0%だったのに対し、令和5年は50.3%と10%近く高くなっています。
「難しくなった」との声とは裏腹に、合格率としては昔より上昇している訳ですね。
直近の合格率に関しては、若干の波がありつつも約50%前後を推移しています。
これを見るとむしろ簡単になっているのでは?と思ってしまいますよね。
この合格率の変化については受験者数の内訳が深く影響しています。
次の項では受験者数の内訳の観点から見ていきましょう。
ITパスポートの合格率はなぜ上がっているか?

上記は2011年度から2022年度までの受験者数の内訳です。
受験者数が増えるに従って、社会人の比率が高くなっているのがお分かりになるかと思います。
これは昨今のテクノロジーの進化によって、IT業界以外の業界であってもITスキルが必要となった事が背景にあります。
ITパスポートの出題内容には、経営学やマネジメントなど学生には馴染が無いけど社会人ならなんとなく分かる…といった問題も数多く存在します。
受験者数の社会人割合が増加するに比例して、社会人であればある程度解ける問題の回答率が上がり、それに伴って合格率が上昇しているとの見方ができます。

社会人であればなんとなくこれかな?といった選択ができるのでは無いでしょうか?
ちなみに上記の問題の正解は「ウ」となります。
このように、特に知識がなくてもある程度の社会人経験があれば難なく解ける問題によって、合格率が上がっていることが考えられます。
なぜITパスポートの難易度が上がってると感じるか
合格率の面から見るとITパスポートは特別難しくなっているとは言えないのが現状です。
ではなぜ難しくなっていると感じるのか。
この項では、その理由を解説して行きます。
試験内容の変化
ITパスポートは2009年から始まった資格です。
試験内容がITの基礎知識を問うものであるため、時代の進展とともにその出題内容が大幅に変化しているのが大きな特徴です。
例えば、クラウドやAI関連の問題は10年前とは比較にならないほど増えています。
さらに、セキュリティやプライバシーに関する問題がより強化されるなどの変化も見られています。
年々進化するテクノロジーに合わせて、出題内容も最新技術に関する理解が求められるようになっており、過去に比べて試験の内容が難しくなったと感じる方も多いようです。
2019年4月の試験からは、第4次産業革命に対応して、AI、ビッグデータ、IoTなど新技術の利活用や新技術を構成する技術要素に関連する出題が強化された(iパス4.0)[9]。
2021年4月の試験からは、政府の「統合イノベーション戦略2020」に基づき、各学校が教育プログラムを編成するに当たって参考にする「数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)モデルカリキュラム」に対応して、数理・データサイエンス・AIに関する出題が強化された(iパス5.0)[10]。
2022年4月の試験からは、政府の「AI戦略2021」に基づき、高等学校の共通必履修科目「情報Ⅰ」の新設を踏まえ、プログラミング的思考力、情報デザイン、データ利活用に関する出題が強化・追加されることが発表された(iパス6.0)[11][3]。また、iパス6.0から、プログラミング的思考力を問う擬似言語を用いた出題が追加される。
出典:ウィキペディア
上記のように、直近数年だけであっても数多くの出題傾向の変化が見られています。
これを見れば「5年前にITパスポート取ったけど、今の問題やったら全然解けない…」は当たり前の話なんですね。
ITスキルの需要変化
以前のITパスポートはIT業界に進む人用として用いられる事が多かったようです。
しかしながら、現在では多くの企業や業界でITスキルが必要とされるようになり、それに合わせて試験の内容が基礎的なレベルに留まらず、より実践的な知識を問うようになった傾向があります。
また、ITの基礎的な知識だけでなく近年ではプロジェクトマネジメントや法的な観点からITの知識を問う問題も増加しています。
これによって単なるIT知識だけでなく、ビジネスとITの橋渡しをする為の理解が必要となり、難易度が上がったと感じる方が多いようです。
受験者数、受験者層の変化
ITパスポートを受ける人々のレベルやバックグラウンドも変わってきています。
以前はIT業界に進む予定の学生が中心でしたが、現在では異業種からの転職希望者や、一般企業での業務に役立てたいという社会人の受験者も増えています。
このような受験者層の多様化により、試験内容もより幅広い知識を要求する方向へとシフトしています。
それによって、難しいと感じる問題が相対的に増えたとも考えられます。
以前と比較して社会人の受験者数が増えたことで、全体の受験者数も大幅に増えています。
受験者数が増えれば当然不合格になる方も増えているため、「ITパスポートに落ちた」「難しかった」との声が多く聞こえ、相対的に難しくなったと感じる場面が増えたとも捉えられます。
難易度の変化に対する攻略法
では、難易度が上がったことに対して、どのように攻略して行けばよいのでしょうか?
この項ではどう対策すべきか見ていきましょう!
最新の教材を活用する
ITパスポート試験の内容は時折変更されるため、最新の教材を活用することが重要です。
特に、クラウドやセキュリティ、AIといった新しい分野に関する知識をしっかりと身につけましょう。
間違っても数年前の中古の参考書で勉強を進めるのはやめましょうね?
◯筆者が合格したときに実際に使った参考書はこちら⇓

※受験する年度の最新版を購入するようお願いします。
新しく範囲に加わった用語をチェック
ITパスポートは「シラバス」といわれる試験範囲や出題範囲を定められた資料に沿って問題が作成されています。
シラバスはver.◯◯といった形式で表記され、2025年2月現在のシラバスはver.6.3となっています。
このシラバスは年に一回程度見直しがされており、バージョンが変わると試験範囲や出題範囲が変化します。
特にシラバスが変更になった年の問題には、新しく加わった用語にまつわる問題が多く出題される傾向にあります。
最新版のシラバスについては「情報処理推進機構」の公式サイトにて確認できます。
改定の内容も詳細を見ることができるので、改定があった際はチェックして新しい用語を確認しておきましょう。
ITパスポート講座を受講する
年々試験内容が複雑化するITパスポートですが、最短・効率良く・確実な合格を目指すなら講座の受講を検討しましょう。
ITパスポートの難易度としては、独学でも合格できるレベルではありますが、特に初学者の方はIT用語を覚えることが大きな負担となり、時間・費用が余分に掛かってしまう恐れがあります。
そのような方は、初めからITパスポート講座を受講する事で下記のようなメリットが得られます。
・効率的な学習が可能:専門のテキストや動画によって試験範囲を網羅的、体系的に学べるため、独学よりもより効率的に学習できる。
・短期間での合格も可能:専門講師が作成したテキスト、カリキュラムに沿って学習することで短期間で資格取得を目指せます。
・学習サポートあり:疑問点などを随時質問する事ができる環境が揃っている事が多く、スムーズな学習が可能。
・最新の情報を得られる:最新のシラバスに即座に対応し、新しい用語の知識を効率的に得られる。
・モチベーションアップ:定期的な講座の受講や、受講料を払っている事から独学よりもモチベーションを維持しやすい。
ITに関わっていない人にとっては、独学での学習はかなり苦痛かと思います。
初めて見る言葉、数式、概念、法律。
問題を解きたいけど、問題文自体を読み解け無い事が多々あります。
勉強時間が足りずに中途半端で本試験に挑戦したり、参考書や問題集を買い集めると余計に費用が掛かってしまいます。
特に今後上位資格である「基本情報技術者」や「応用技術者」を取得したいと考えている方は、基礎知識であるITパスポートの内容をしっかり理解しておく事も必要です。
この先ITの知識をより深めて行きたい人ほど、しっかり講座を受講して基礎知識を蓄えておきましょう。
ITパスポートの難易度は上がってる?まとめ
ITパスポートの難易度は、合格率の観点からは大きな変化がないように見えますが、その試験内容の実態としては上がっていると考えて差し支えないでしょう。
IT技術の進化や、試験内容の多様化がその背景にあります。
しかしその分、試験を通じて得られる知識やスキルは、IT業界やビジネスシーンで非常に役立つものとなります。
受験を検討している方は、最新の情報をしっかりと学び、準備を万全に整えて臨みましょう!
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