簿記1級「委託販売」とは。仕訳や積送諸掛も学習!

簿記検定

今回学ぶのは代理人に自社の商品を売って下さいーってお願いする側の仕訳です。

手数料などを支払って自社商品の販売を委託する販売形態ですね。

さっそく見て行きましょう!

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簿記1級「委託販売」の会計処理

委託販売における登場人物は次の3人です。

委託者…商品を売ってーと依頼する側。そのまま委託者ですね。

受託者…商品を預かり顧客に直接売る人。受け取る人‐で受託者ですね。

顧客…最終的に商品を買う人。

これらの用語を頭に入れて次に行きましょう!!

収益認識のタイミング

では、どのタイミングで委託者が収益を計上するかと言いますと

受託者が顧客へ商品を販売した時

となっています。

これは今までの学習を見てみると、まぁそうだろうなと言った所ですね。

実際の仕訳方法

詳細な仕訳の方法を見て行きたいと思います。

委託販売においての会計処理には

  • 手許商品区分法
  • 対照勘定法

の2通りあります。

主に使用されるのが「手許商品区分法」だとの事なのでこちらを重点的に学習したいと思います。

手許商品区分法とは

手許商品区分法を覚えるにはまず新しい勘定科目である「積送品」を覚える必要があります。

積送品は委託者が受託者へ送った商品の事です。

実質自分の商品なんだけど、手許にはないから仕入勘定から積送品勘定へ変更する処理をします。

自分の手許にある商品と、送った商品区分するから手許商品区分法なんでしょうね。

商品を受託者へ積送(送った)時

積送品〇〇円/仕入〇〇円

上記にあったように手許にあった商品を積送品として送り出したので、仕入(資産)を減らして積送品(資産)を増やします。

受託者が商品を販売した時

販売時の処理には「その都度法」「期末一括法」の2通りあります。それぞれ見て行きましょう。

〇その都度法…積送品が売れた時に売り上げは「積送品売上」で処理。そして販売する都度積送品から仕入へ振替処理を行う。

売掛金◯◯円積送品売上◯◯円
仕入◯◯円積送品◯◯円

〇期末一括法…積送品の売上は積送品売上で処理。販売時には売上原価の算定は行わず期末に一括で処理する。

売掛金〇〇円/積送品売上〇〇円       
※期中はこの仕訳のみ。売上原価(仕入)への振替はしない

受託者から代金を受け取った時

委託者が受託者から代金(手取額)受け取った時は、その分売掛金を減らします。

現金〇〇円/売掛金〇〇円

決算時

決算時の処理も「その都度法」と「期末一括法」で異なります。

〇その都度法…期中に販売するたびに売上原価に振替ているので決算時仕訳はなし。

〇期末一括法…積送品の期首有高と当期積送高の合計を積送品から仕入へ。そして積送品の期末有高を仕入から積送品へ振替る。

仕入〇〇円/積送品〇〇円
積送品〇〇円/仕入〇〇円

なんのこっちゃって感じですが、この仕訳の形。どっかで見たことありますよね。

そうです一般の商品売買における決算整理仕訳である「しーくりくりしー」です。

それの積送品バージョンと考えて差し支えないかなと思います。

つまり…

期首にすでに受託者へ送っている積送品と当期に送った積送品を足して、
そこから期末に送るだけ送ってまだ受託者の手許に残っている積送品を控除しているんですね。

そうすることで、当期の積送品における売上原価の算定をしているって事です。

「委託販売」に関わる積送諸掛とは

積送品に関わる勘定科目には「積送諸掛」というものがあります。

積送諸掛は委託者が負担する細々とした諸費用の事で

  1. 委託者が受託者へ発送する時の費用
  2. 受託者の立替費用
  3. 受託者の販売手数料

などがあげられます。

この内1の費用は「積送品原価に含める」か「積送諸掛(販売費)」で処理。

2と3の費用は「積送諸掛(販売費)」で処理します。

積送諸掛の仕訳方法

〇発送時の積送諸掛の仕訳

・積送品原価に含める

積送品〇〇円/仕入〇〇円
       現金〇〇円

積送品勘定=積送品原価なので、現金で払った分積送品勘定をプラスするって事ですね。

・積送諸掛(販売費)で処理。

積送品〇〇円/仕入〇〇円
積送諸掛〇〇円/現金〇〇円

現金で払った費用を積送品原価に入れずに別個で「積送諸掛」の勘定で処理します。

積送諸掛の繰延べ

積送諸掛を積送品原価に入れずに積送諸掛勘定で処理している場合決算時に未販売の積送品に対応する積送諸掛「繰延積送諸掛」勘定を用いて時期に繰り延べる必要があります。

???

なにやらまた難しい言葉だらけですね…繰延って出るとだいたいややこしいんですよね~

まず、積送諸掛には

  1. 受託者の発送諸掛
  2. 受託者の立替諸掛
  3. 受託者の販売手数料

の3つでしたね。

この内1と2はその積送品が販売していようがまだ受託者の元に残っていようが発生する費用です。

逆に3の費用は販売しない限りは発生しない費用なので、在庫としてある積送品には関係のない費用ですよね。

そして、1と2の費用はまだ販売されておらず受託者が保管している状態でも積送諸掛勘定に計上されてしまっています。

会計原則上当期に販売していない商品に対する費用を計上するのはおかしなことなので、この決算の時に整理仕訳を行って当期発生した費用を正確なものにしているんでしょう。

なので

繰延積送諸掛〇〇円/積送諸掛〇〇円

って仕訳をして積送諸掛(費用)を減らして繰延積送諸掛に振替えているんですね。

簿記1級「委託販売」まとめ

お疲れ様でした。

委託販売、日常にあふれているやり取りではありますが、その会計処理は結構複雑でしたね。

それぞれの登場人物の立場をしっかり踏まえて、会計処理を学んでいきたいですね。

一緒に頑張りましょう!!

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